2012年10月22日月曜日

八甲田山


八甲田山は青森市の南側、十和田八幡平国立公園の北端に位置する火山群の総称で、国道103号線を挟んで北側が北八甲田連峰、南側が南八甲田連峰と呼ばれている。八甲田山という名称は「新撰陸奥国志」によれば、八の(たくさんの)甲(たて)状の峰と山上に多くの田代(湿原)がある様子から由来しているという。年間を通して標高1300mの田茂萢岳山頂付近までロープウェイを利用でき、豊富な高山植物帯や毛無岱などの湿原歩きを気軽に楽しむことができる。冬季にもこのロープウェイを利用して、この地方特有の豪雪と強い季節風がつくりだすアオモリトドマツの見事な樹氷がみられる。山頂からは360度の展望がひらけ、火口越しの高田大岳、津軽平野に聳える岩木山や青森湾の眺めがすばらしい。山麓には千人風呂で有名な酸ヶ湯温泉のほか城ヶ倉温泉、谷地温泉、猿倉温泉など多種多様な泉質をもつ温泉地が散在し、観光客や登山客で賑わっている。

「日本百名山」より

八甲田連峰の峰々はただの一峰も目立つ山はないが、峰々が頭状花序のように集まった一つの山として見れば名山として百名山に推すに足りるとしている。国立公園に指定されて以来、観光道路がつくられ流行の観光地となってしまったが、八甲田は逍遥に適した山で、自分の足でゆっくり歩いてこそその真価がわかるとしている。氏は30年前より3度ほど八甲田山に登っている。酸ヶ湯温泉から登ったこともあるようだが、大岳登頂後は毛無岱へ下ることを勧めている。毛無岱は絨緞を敷いたような原で、そこに沼が点在し、ハイマツとアオモリトドマツが原を覆う風景は神の工を尽くした名園であると述べている。また八甲田山の風景の個性は広大な高原とそれを覆うアオモリトドマツであり、見事な樹氷がみられる冬には、スキーリゾートとして発展していくことも予想している。

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